「せんせい、せみの声がきこえるね」
「ちかくから聞こえてくるね。どこだろう?」
「せみのぬけがらあるところ、教えてあげようか」
「どうして、アゲハの幼虫はパセリのところでさなぎにならないの?」
「どうしてだろうね」
「どうして、あっちの方まで行ってからサナギになるの?」
「なんでかなぁ」
「アゲハの子どもって遠くまでひとりで行けるんだね」
「せんせい、アゲハのサナギ、どーこだ?」
「うん? どこ?」
「よーく見てごらんなさーい」
「すごく白いはながあるよ」
「どんな花だろう?」
「ぶどうの下にあるよ」
「ほんとうだ。すごく白いね」
子どもの目の高さ。おとなも、膝をかがめ身を低くすれば見えてくる。