朝からなんだかにぎやかだ。
子どもたちが種取りをしていた。夏に咲いた朝顔やフウセンカズラの種を採っている。採った種は種類ごとに分類して集め、来年の初夏に種まきをするために備える。今年入園した子どもたちが出会った花は昨年の子どもたちが準備してくれたもの、今年準備したものは来年入園してくる顔を知らない子どもたちのためのもの。世界は誰かが誰かのために準備してくれることで成立している。
マリーゴールドは最強じゃないか。夏の暑さにも負けず、秋にも花を咲かせ続けてくれる。
今度は講堂からにぎやかな声が聞こえてくる。リトミック ♪ だ。ピアノの弾む音と、子どもたちの弾ける手拍子や足音が聞こえてくる。
音楽は人をなごませてくれる。
音楽は人を集中させてくれる。
音楽は人に喜びをもたらしてくれる。
音楽は人を結んでくれる。
「せたていじ」先生。この人のように文章が書けたらいいなとずっと憧れている。まだまだはるか足元にも及ばない。
「ものもうす!」のような気迫があるね。
秋の陽だまりの中で子どもたちが色を塗る。
入園して半年。自分のお気に入りの遊びがどんどん見つかってきた。
子どもがひとりで遊んでいる。これはとっても大切な時間。自分で語らい、自分で試行錯誤し、自分で折り合いをつけ、自分で納得する。子どもの一人遊びは孤独ではなく、自分自身との対話だ。自分自身の感情のみに流されず、自分と対話できる人。それが真実にできたら、他者との深く豊かな対話ができる人になるだろう。
「ただ交わりの中にいる時にのみ、わたしたちはひとりであることができるし、ただひとりである者のみが、交わりの中で生きることができる。」(ディートリッヒ・ボンヘッファー,牧師+神学者,ドイツ,1906-1945)
昼の園庭でも、子どもたちが遊んでいる。年下の子どもたちは砂遊びを。
年上の子どもたちは鬼ごっこを。
2021年10月6日。この日、子どもたちはここで幸せな時間を過ごせたと思う。