さあ、ばんごはんができました。
ピーマン、ナス、おくら、季節の野菜はよい香り。
苦手な物も一つは取って食べてみようね。
鶏のから揚げもあるよ。

ところてんを食べてみよう。
食物繊維たっぷりだよ。

みんなで食べるとおいしい。
おかわり、おかわり、おかわり。
箸もじょうずに使えるようになった。

子どもたちのうれしそうな声が講堂から聞こえてくる。
空は赤から紫へ。そして、再び雲で覆われた。

夕食の片づけをしたり、歯をみがいたり、お風呂に入っている間に、夜は来た。
闇夜に何かが浮かんでいる。
「せんせい、なにかいるっ!」
「先生には何も見えないよ」
「おばけがいるっ!」
「さあ、先生には何も聞こえないよ」

夜の幼稚園にようこそ。
子どもたちの心臓の音が聞こえてくる。
鬼が来た。お化けも来た。物の怪も来た。
魔物の群れの中を子どもたちは二人一組で進んでいく。

なかなか足が進まなくて1時間近くかかってしまった。
子どもたちの涙と鼻水にかき消されるように、魔物たちはどこかへ消えていった。
就寝準備。布団を敷いて枕を並べた。
今日一日のことをみんなでふりかえる。
2学期の運動会やクリスマス会のこと、年長ひかり組だからこそできること、思いを巡らす。
最後にお祈り。一日の感謝、留守を守ってくれている家族の平安。
神さま、おやすみなさい。
おとうさん、おかあさん、おやすみなさい。

明日も健やかで、元気に遊べますように。